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土力【どりょく】のトマト!

(2月20日/2014)

これが「土力(どりょく)のトマト」である。

トマト

すぐとなり村の百姓の先輩、われらがオヤビン!の杉浦さん(美浜町布土)のお誘いで「竹林整備と竹炭を使った循環型農業の視察」と銘打った日帰り研修旅行に参加して来ました。
人の手が入らなくなって竹林に浸食されていく里山が問題になっているなかで、竹を適宜伐採することで竹林整備をし、その竹を炭に焼いたりチップにしたりして農業に有効利用していこうという取り組みをしている「モリビトの会」の企画なのです。
町会議員でもある杉浦さんのはからいで美浜町行政にもリンクさせ、今回は美浜町のマイクロバスをチャーターして農林水産課の課長さん、係長さんも同行してくれての研修会となりました。
新規就農して間もない若者から農業歴30年、40年の大ベテランまで、総勢20名ほどの参加者。
若者の参加者が多く、バスの中では、年寄り組が陣取っていた後方の席に押しやられたワタクシ(汗)
(あ、はい、はい、年寄りをちゃんと自覚しておりますので…)

というわけで、二十四節気「雨水」の昨日、日陰にまだ雪が残る三重県多気町まで行ってきました。
先日の大雪で潰されたビニールハウス(パイプハウス)の無残な姿が散見され、目にするたびに心痛む思いでした。
さて、この多気町には、以前にモリビトの会の集まりでも一度お目にかかったことのある、トマト農家の北川さんがおられ、彼とそのお仲間たちの農園の見学をさせていただきました。

北川さんたちは、竹林整備をしながら、竹炭を焼き、それを使ってビニールハウスでトマトの周年栽培をしておられます。

竹林整備

手入れをしている竹林に案内してもらいました。
地下茎をどんどん伸ばして大変な早さで拡大していく竹林。あっという間に林内も人が通れないほど竹で混み合ってしまいます。きちんと手入れされた竹林は「傘をさして歩ける」と言ったりするのです。

北川さんのビニールハウスに到着したのはお昼時。
暖かなハウスの中でまずはお弁当。北川さんの作った野菜も使われているこのお弁当は、少し前にテレビドラマにまでなった「高校生レストラン」(同町内にある相可高校)の卒業生のお店のものだとか! 野菜の煮つけはやさしい味で美味しかったです♪
さて、お昼休みの後、北川さんが「土力(どりょく)のトマト」ということでお話しをしてくれました。

北川さん

40代で脱サラ就農して16年。食と健康ということに思いを寄せて、当初より化学肥料は使わず農薬もできるだけ使わないトマト栽培をめざしました。やはり最初の数年間は苦労の連続だったようです。
お客さんの「もっと甘かったらおいしいのに!!」という言葉に叱咤激励され、よりいっそう土作りに精を出したそうです。
今では土着菌がしっかり棲み付いて、一作ごとに竹炭と枯れ草堆肥を入れるだけの栽培法が確立し、kg当り1,000円というたいへんな高値にもかかわらず、飛ぶように売れるトマトを作り続けています。

試食

試食用に出されたトマト。
ひと口食べてその甘さにびっくり!
しかもたんに甘いだけではなく、濃厚なうまさ。糖度8~10度という数字以上のものを感じました。
なんと冬でも暖房機を使わない無加温栽培なのです! 苗の時から低温、低水分で苛められるような育てられ方をするものだから、きっとトマトは渾身の力を発揮して結実させるんですね。
細胞がしっかりしてシャキシャキした歯ごたえ、そしてとても力強い味わいが口の中いっぱいに広がりました。非常に甘いトマトは今まで口にしたことはありますが、こんな味わい深さを感じさせるトマトは初めて!!
先週見学した静岡県の松下さんの巨大胚米「カミアカリ」にも驚嘆しましたが、このトマトも衝撃的です!
いずれも人の努力と土力の賜物ですね!

意外と寒さには強いトマト。それでも0℃以下になるとさすがに枯れてしまうので、そういう日だけはストーブを焚くそうです。
なんと家庭用の小さな石油ストーブ!

ストーブ

しかも200坪以上の広さにたったの4台あるだけ。
下の写真のように、ファンを回して空気を循環させていました。これはハウス内を乾燥させることと気温のムラをなくすことが目的らしい。

ファン

空気が乾燥しているので、トマトの代表的な病気である灰色かび病も出ないそうです。
潅水もきわめて少ない。たしかに土はからからに乾いた感じだった。
一般的な栽培と比べると、肥料なし、水なし、温度なし、のないないづくし。これでトマトの茎や葉は非常に硬くなり、害虫の被害もほとんどないそうです。

株元の黒いポリマルチをめくってみると・・・

土着菌

土着菌がびっしり!
善玉菌のコロニーが白いはんぺんのようになっていました。
この豊富な土壌微生物の力を得てトマトは健康に育っているんだね。

さて、竹炭などはどんなふうに使っているかというと・・・
小さな管理機でV字の溝を切り、

管理機

まずは竹炭を溝に施す。

炭

さらにその上から枯れ草堆肥を施す。

枯れ草堆肥

そして、土を寄せてウネにして、そこにトマトの苗が植えられます。

竹炭は、切り倒した竹を竹林のすぐ脇にある田んぼに持って行き、ポーラス炭(野焼きをするような簡単な炭づくり)にするのです。
枯れ草堆肥はハウスのすぐ外に野積みにされていました。

堆肥の山

 * * * * *

さて、もうひとつ素晴らしいことがあります。
この3年ほどの間に、北川さんのところに農業研修にくる若者が相次いで現われ、彼らは1年間の研修を経て新規就農者として独立していきます。
独立後も新米の彼らをしっかりとフォローする形ができています。
北川さんは弟子たちのところに巡回をしコミュニケーションをはかり、また弟子たち同士でつながって互いに励まし合い、切磋琢磨している様子がうかがえました。
このような仲間づくりが肩ひじ張らずにできていっていて、志を同じくする百姓たちのコミュニティができていることを感じ、感銘を受けました。

最後に訪れたのは、昨年の4月に新規就農した岡山さんのハウス。

岡山ハウス

現在植わっているトマトは1月に定植した、岡山さんにとっては2作目の栽培。

皆の前で話をしてくれている岡山さん。しっかりした好青年!

岡山くん

彼は名古屋の都会育ち。今はトマト栽培が楽しくて仕方がないそうです。
北川さんがいて、同じ仲間がいるからこそ、こうしてやっていられる、と力を込めて語ってくれました。

 * * * * *

現在の日本の農業のありようを考えると、近い将来に非常に不安があり見通しの暗さがあるのは否めません。
先の松下さんにしろ、北川さんにしろ、また我々も、たとえ一人でも二人でも、喜びをもって農の道に進む若者の存在はひとすじの光明のように感じられる、それは共通だろうと思う。

ちゃんと手入れされた竹林のように、美しく爽やかに…
天に向かって伸びる若竹のように、力強く真っすぐに…
しっかりと根を張って農に生きていけますように!

竹林

(ムム…、きょうはすっかり年寄り目線でしたな…


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プロフィール

ふき村・黒田農園

Author:ふき村・黒田農園
知多半島の真ん中、武豊町冨貴(ふき)地区で有機農業をやってます。
「一人農業」で畑も田んぼも…農薬や化学肥料を使わず日々キリキリ舞いしながら、でも適当に手を抜きながら?「ぐうたら」と開き直って、少しでもおもしろおかしく暮らしたいな…。
・・・と呑気な「一人農業」から一転、現在は3人の農業研修生を受け入れ、日々にぎやかに奮闘中?!
★連絡先はホームページにて
 (リンクからアクセス⇒⇒)

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