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愛情と努力は・・・

(2月13日/2014)

明日はまた先週の土曜日のように、南岸に発達する低気圧の影響で各地で大雪の予報が出ている。
荒れ模様の天気を前に、今日の畑仕事はウネ作りを進めた。

昨日、めずらしく古い友人から電話がきて、今日、昼食をとりながら十数年ぶりに少しゆっくり会うことになった。
ある人が、2月は人やものが動き出す時期かもしれないと言っていた。
たしかに、自分自身も、身の回りの人々やものごとも、あちこちで動きを感じさせる。そんな気がする。
そう!ぼくには珍しく来週はたいへんなハードスケジュール。来客あり行事あり…連日なにがしかある。
すべき農作業も出荷もしっかりあるから、うまく乗り切れるだろうか??

 * * * * *

一昨日(2月11日)静岡県藤枝市の「ロジカルな田んぼ」の著者・松下さんに会いに行って来た。

ロジカル

ロジカルな田んぼ (日経プレミアシリーズ)
この本の紹介
http://honz.jp/articles/-/25096

百姓の仲間の呼びかけで、岐阜・愛知から総勢12名が参加。
知多からは就農間もない若い人たちを誘い、5人で車1台に相乗りして出かけた。

一人で9町歩もの田んぼをすべて有機・無農薬で稲作をし、巨大胚米「カミアカリ」を産み出して品種登録してしまったという稀有の百姓である。

松下さん家に着いて、彼はまず最初にこの土地の話をしてくれた。
子どもの頃は見渡す限り田んぼが広がっていたが、都市化の進行と農業の担い手の激減で、農地の宅地化と耕作放棄地の増加という農業にとっては危機的な状況。これは日本全国どこでも似たような状況。
耕作されなくなった農地を借り集めて松下さんのように大規模に農業をやっている人たちは、現状でも大変な苦労をしている。
「農地を集積して大規模化をはかればTPPで日本の農業が強くなるって安倍さんは言うけど、現場のことを全然わかってない!」
「そんなことに莫大なお金を費やすんじゃなくて、もっと若い人たちが農業をやれるようにするためにお金を使うべきだ!」
まったく同感である。

次に、この大井川東岸に広がる志太(しだ)地方を西側の高台から眺めてみようということで、茶畑が広がる牧野原台地に案内してくれる。

松下さん

自分のふるさとの地理や歴史と代々ここで農業をしてきた松下家のこと、当地の現在の状況を説明してくれる松下さん。
大井川は豊かな水の恵みを与えてくれる一方で、大変な暴れん坊。制しきれない水害に悪戦苦闘しながら、この土地を切り拓き豊かにしてきた、想像を絶するような人々の歴史がある。

志太

広がる茶畑の向こうに大井川、そしてその向こうに広がる志太の地。
農地はあまり見えず、街ばかりが広がっているような景色。
残念ながら霞んでいて富士山が見えなかった。

このあと田んぼの見学へ。
乾いた冬の田んぼに降りて行くと、足には心なしか土の軟らかな感触。
稲の切り株をつかんで引っこ抜いて土の状態を見てみる。
においをかいでみると、なんとも表現のしようがない良いにおい!

土

土の断面を見ると、表層わずか数センチの部分とその下の層の違いがよくわかった。
代かきをすると「フワトロ層」ができるきめの細かい表層と、団粒構造ができている下層の土。
これこそが雑草が生えず美味しいお米を産み出す土なのだ。

 * * * * *

この日はたくさん松下さんからお話をうかがった。
あふれるほどの思いがあるのだ。
次の若い世代に、一人でも多くの若い人たちに、ちゃんと農業を担っていってほしくて本を書いたそうだ。
少しいたずらっぽい笑顔で、でも力強く「愛情と努力はうそをつかない!」という言葉が何度も出てきた。
稲作がほんとうに大好きで、稲への強い愛情とそのために惜しまない並々ならぬ努力。
家族のことさえ二の次にして稲作に打ち込んできた彼は、ある意味、幸せ者だと感じた。
もちろん、彼の情熱こそが、お米屋さんや酒屋さんなどの素晴らしい仲間たちを呼び寄せ、奇跡のような「カミアカリ」を呼び寄せたんだろうとも思うけれど。

7年の歳月を費やしてコシヒカリの突然変異種からつくり出した巨大胚米「カミアカリ」の米粒。

カミアカリ

通常のお米の3倍くらいの大きさの胚(胚芽)。精米すると胚芽がなくなり、意味がない。玄米食専用のお米。胚芽の旨みと栄養が満タンの、異次元のお米なのだ。

知らなかったけれど、志太地方は日本で屈指の酒どころなんだそうだ。
通常、温暖な地は酒造りには向かないが、先人の「愛情と努力」で抜群の銘酒を産み出す地となったという。
帰り際、松下さんの「山田錦」でできたお酒がほしいと思い、地酒の専門店を案内してもらった。
このお店には、松下さんの毎年できた山田錦が壁に飾られている。

山田錦

店の奥にもまだまだずらっと並んでぶら下がっていた。
残念ながら松下さんのお酒は全部売り切れ。値段は目玉が飛び出るほど高いけれど、毎年あっという間に売り切れてしまうそうだ。来年も手に入れることは無理かも…。
そこで同じ蔵元「喜久酔(きくよい)」の、手ごろな値段でまずまずの品質の「特別本醸造」を松下さんが薦めてくれた。

喜久酔

夕方、松下さんのお米とお酒を手土産に帰途につく。
今までまったく知らなかった松下さんのことを知ることができ、単に「無農薬の稲作り」ということだけではなく、さまざまインスパイアされる、とても有意義な一日となった。

 * * * * *

さてと・・・
人との出逢いとお酒ときたら、思い浮かんだ石川啄木の歌…

 恋をえず酒に都に二の恋に
  人はゆくなり 我虚無にゆく


・・・うぃ~っ、
 ぼくはそんなに立派な人間じゃぁ…
 愛情とか、努力とか…? きょむ~??
 今宵は酔っぱらってら~~


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プロフィール

ふき村・黒田農園

Author:ふき村・黒田農園
知多半島の真ん中、武豊町冨貴(ふき)地区で有機農業をやってます。
「一人農業」で畑も田んぼも…農薬や化学肥料を使わず日々キリキリ舞いしながら、でも適当に手を抜きながら?「ぐうたら」と開き直って、少しでもおもしろおかしく暮らしたいな…。
・・・と呑気な「一人農業」から一転、現在は3人の農業研修生を受け入れ、日々にぎやかに奮闘中?!
★連絡先はホームページにて
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